SMOKE DINING CHAIR-002

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「静けさの中に、鋼の美学を。」

どこかミッドセンチュリーの香りを纏いながら、静かに佇むその姿。
スラリと伸びた鉄のフレームと、手で削り出されたアームレストが描くラインは、
まるで彫刻作品のように空間に静かな緊張感をもたらす。

背もたれに施されたRは、鉄でありながら柔らかさを感じさせる造形。
冷たさではなく、研ぎ澄まされた意志のようなものが宿っている。
それは家具というより、“佇まい”そのものに思想を込めた存在。

どこを切り取っても様になる、計算ではなく“感性”から生まれたデザイン。
一脚あるだけで空間の温度が変わり、まるでギャラリーの一角のような空気が流れ出します。

けれど、この椅子の美しさは表層にとどまらない。
座面には高密度の国産ウレタンを惜しみなく詰め、
柔らかさと反発力を兼ね備えた、確かな“座り心地”を仕立てました。
ゆったりとした座面幅、追求された背もたれの角度。
長時間腰掛けていても、姿勢が崩れず、むしろ身体が“預けたくなる”。

アームレストは、使い込むごとに手の油を吸い、
滑らかさと艶が増していく、それは時間の経過とともに完成していく“余白の美”。

鉄の骨組みも、すべてが職人の手による手作業。
丁寧にカットし、火花とともに丁寧に溶接される。
その作業には、音楽のようなリズムと、工芸のような祈りがある。

この椅子は、量産にはない“重さ”を持つ。
それは重量ではなく、物語の重さ、思想の重さ。

INDUSTRIALBRANCHの無垢テーブルと並べれば、
空間が静かに“深度”を得て、文化の香りが立ち上る。

これはただの椅子ではない。
感性と時間と空気を編み込んだ、クラフトのひとつの結論。